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親の家が空き家になる前に|市川市の不動産売却で準備しておきたいこと

親の家が空き家になる前に|市川市の不動産売却で準備しておきたいこと

実家の将来については、空き家になってから動き出すのではなく、ご両親が元気なうちに家族で話し合っておくことをおすすめします。判断力と体力がそろっている時期にしか進められない手続きが多く、先送りするほど選べる道が狭まっていくためです。たとえば認知症などによって契約の内容を理解し判断する力が失われると、本人が有効に売買契約を結ぶことが難しくなります。管理が行き届かない状態が続き、行政の指導に従わないまま勧告を受けると、土地の固定資産税の軽減措置が外れる場合もあります。市川市・船橋市・浦安市を中心に不動産売却や相続のご相談を受けている株式会社エニシングにも、「まだ売ると決めたわけではないが、そろそろ考えておきたい」という内容のご相談をいただくことがあります。本記事では、売却を決めていない段階でも家族で進められる準備、市川市ならではの不動産事情、そして今の価値を知っておく意味について整理しました。

1. なぜ親が元気なうちから実家の将来を考えるべきなのか

早めに動くべき最大の理由は、空き家になった後に取れる選択肢は、なる前に比べて確実に少なくなるという点にあります。誰も住まなくなった家は、税金や管理の負担を生み続ける一方で、時間の経過とともに建物の価値が下がっていきます。しかも所有者本人の判断能力が失われれば、売る・貸す・解体するといった決断そのものが宙に浮いてしまいます。準備の有無が数年後の家計に直結する、というのが実務での実感です。

1-1. 空き家を放置することで発生する「税金・維持管理」の重い負担

空き家は、住んでいなくても費用が発生し続ける資産です。誰も使っていない建物に、毎年決まった支出が積み重なっていきます。

主な負担として、次のような項目が挙げられます。

費用・負担の種類 内容
固定資産税・都市計画税 居住の有無にかかわらず毎年課税される
火災保険・地震保険 空き家は契約条件が変わる場合があり、保険料が上がることもある
水道・電気の基本料金 管理や換気のために契約を残すと発生し続ける
通院や帰省を兼ねた管理交通費 遠方に住む子世代ほど負担が大きくなる
庭木の剪定・修繕費 台風や大雪のたびに突発的な出費が生じる

さらに見過ごせないのが税制上のリスクです。2023年12月13日に施行された改正空家法により、従来の「特定空家」に加えて、その前段階にあたる「管理不全空家」についても、市区町村の指導に従わず勧告を受けた場合には住宅用地特例の対象外となる仕組みが導入されました。小規模住宅用地では固定資産税の課税標準が原則として評価額の6分の1に軽減されているため、特例が外れると税負担は大きく増える可能性があります。ただし負担調整措置などがあるため、実際の税額が一律に6倍となるわけではありません。

区分 状態の目安 税への影響
管理不全空家 放置すれば特定空家になるおそれがある状態 指導に従わず勧告を受けると住宅用地特例が解除される
特定空家 倒壊の危険、著しく衛生上有害、景観を損なうなどの状態 勧告で特例解除、命令違反には過料、行政代執行の対象にもなる

雑草の繁茂や屋根材のはがれといった、一見小さな不具合の放置が指定の入り口になります。誰かが定期的に見に行ける体制を作れるかどうかが、実際の分かれ目です。

✓ポイント:空き家の維持費は「年間いくら」という固定額だけで捉えると見誤ります。台風後の修繕、行政指導への対応、離れて暮らす家族の移動時間といった不定期な負担まで含めて、はじめて実像がつかめます。負担を洗い出す作業は親が元気なうちのほうが正確に進みます。

出典:空家法とは|国土交通省

1-2. 認知症による資産凍結リスクと家族への影響

税金以上に深刻なのが、所有者の意思能力が失われることで不動産が動かせなくなる、いわゆる資産凍結です。認知症などによって売買契約の内容や結果を理解し判断する力を失った場合、本人が有効に契約を結ぶことは難しくなります。加えて、子どもだからという理由だけで、親名義の不動産を代わりに売却することはできません。認知症と診断されたこと自体が売却を不可能にするわけではなく、判断の分かれ目はあくまで契約時点の意思能力にあります。

厚生労働省の認知症施策推進基本計画では、2022年時点の推計をもとに、2040年には認知症が約584万人、軽度認知障害が約613万人となり、高齢者の約3.3人に1人がいずれかに該当すると見込まれています。決して他人事の数字ではありません。

凍結状態に陥ると、家族には次のような影響が及びます。

  • 介護費用が必要になっても、実家を売って充てるという手段が使えない
  • 成年後見制度を利用する場合、居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要になる
  • 手続きに時間がかかり、その間も空き家の維持費が発生し続ける

対策としては、判断能力が十分なうちに家族間の信託や任意後見契約を検討する方法があります。任意後見契約は公正証書で締結する必要があり、契約の効力が生じるのは判断能力が低下した後に家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時点です。家族間の信託も含め、契約内容や与える権限の範囲によって将来の不動産処分の可否が変わるため、実務上は司法書士や弁護士などの専門家に相談しながら設計するほうが安心できます。

出典:認知症施策推進基本計画(令和6年12月)|厚生労働省

出典:任意後見契約|日本公証人連合会

2. 将来の売却を見据えて今すぐ家族で準備できること

売却を決めていない段階でも、進められる準備は数多くあります。むしろ、「売る/売らない」を決める前の情報整理こそが、後の選択肢を広げる土台になります。名義、境界、書類、家財、そして親の希望。この5つを押さえておくだけで、いざというときの手続きは大きく変わってきます。

2-1. 実家の名義人や権利関係、土地の境界線を正確に把握する

まず確認したいのが、その家が誰の名義になっているかです。長く住み続けた家では、祖父母の名義のままになっているケースが珍しくありません。

  • 登記名義人は誰か(法務局で登記事項証明書を取得すれば確認できる)
  • 建物と土地の名義が一致しているか
  • 抵当権の抹消登記が済んでいるか
  • 隣地との境界標が現地に残っているか、境界確定測量の記録があるか

名義が古いまま放置されている場合は、相続登記の義務化にも注意が必要です。相続で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内の登記申請が義務づけられ、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。2024年4月1日より前に発生した相続も義務化の対象です。すでに相続による取得を知っていた不動産は原則として2027年3月31日までが期限となり、2024年4月以降に取得を知った場合はその日から3年以内が期限になります。

境界については、越境した樹木やブロック塀が後々のトラブルの火種になりがちです。ご両親が隣家と良好な関係を保っている今のうちに現地を一緒に歩き、認識をすり合わせておくと、売却時の交渉が驚くほどスムーズに運びます。

出典:相続登記の申請義務化について|法務省

2-2. 権利書などの重要書類の保管場所の確認と、無理のない家財整理

書類の所在確認は、家族が集まったタイミングで済ませておきたい作業です。所有者本人しか置き場所を知らない書類は、いざというときに探し出せません。

書類 用途
登記識別情報通知(権利証) 所有権移転登記で通常使用する重要書類。紛失していても一定の代替手続がある
測量図・境界確認書 土地の範囲を示す資料として買主が確認する
確認済証 工事着手前に建築計画が建築基準関係規定に適合することを確認した書類
検査済証 工事完了後に完了検査を受けたことを示す書類
購入時の売買契約書・領収書 取得費として譲渡所得の計算に使える
増改築やリフォームの記録 建物の状態を買主に説明する材料になる

購入時の契約書は特に重要です。契約書などから取得費を確認できない場合は、売却額の5パーセント相当額を概算取得費として用いることができますが、実際の取得費がそれを上回るケースでは譲渡所得税の負担が重くなります。契約書が見当たらなくても、当時の資料から取得費を確認できる場合があるため、売却前に一度探しておく価値があります。

家財整理については、一度に片づけようとすると親子ともに疲弊します。写真や手紙など思い出の品から手をつけると衝突しやすいため、まずは季節家電や古い書類など判断に迷わないものから始めるのが無難です。「捨てる」ではなく「残すものを選ぶ」と言い換えるだけで、ご両親の受け止め方は変わります。

✓ポイント:書類探しと家財整理を同時に進めると挫折しやすくなります。書類の所在確認は数時間で終わる作業なので先に片づけ、家財整理は年単位の計画として月に一部屋ずつ進める。この順番なら、親世代の負担を抑えたまま準備が形になります。

出典:No.3258 取得費が分からないとき|国税庁

2-3. ご両親の希望を尊重した今後の住まい方についての話し合い

準備の核心は、書類でも数字でもなく、ご両親自身がどう暮らしたいかにあります。子世代が先に結論を用意して切り出すと、「早く家を処分したいのか」と受け取られ、話し合いそのものが止まってしまいます。

会話のきっかけとしては、近隣の空き家の話題から入る、自分たちの住まいや老後の話を先に持ち出す、帰省時に設備の傷み具合を一緒に見て回るといった切り口が使われます。確認しておきたいのは、可能な限り自宅で暮らしたいのか、施設や子世帯との同居も視野に入れているのか、そして家を残したい気持ちがどの程度あるのかという3点です。結論を急ぐ必要はありません。方向性を共有できていれば、状況が変わったときに家族の判断が割れずに済みます。

3. 市川市の不動産事情と将来手放す際のポイント

市川市は、将来売却を検討する場合に比較的有利な条件がそろったエリアです。都心への通勤圏として安定した住宅需要があり、地価も上昇傾向が続いています。加えて市独自の空き家対策や相談窓口が整備されており、所有者が使える選択肢は決して少なくありません。

3-1. 都心へのアクセスが良く利便性の高い市川市エリアの需要と傾向

市川市はJR総武線、東京メトロ東西線、京成本線、都営新宿線、武蔵野線、北総線が通り、東京都心まで20分台で到達できる駅も複数あります。この利便性が地価に反映されています。

千葉県が公表した令和8年(2026年)地価公示の資料によると、市川市の平均価格と平均変動率は次のとおりです。

用途 2026年の平均価格 平均変動率
住宅地 306,700円/平方メートル +3.0%
商業地 1,357,100円/平方メートル +6.9%
全用途 430,800円/平方メートル +3.8%

全用途平均の価格は、県内では浦安市に次ぐ2位です。ただし公示地価は標準地の価格であり、個別の不動産の売却価格をそのまま示すものではありません。

市内でも駅からの距離による差は大きく、内陸部と駅至近エリアでは買主の層も売却期間の見通しも異なります。「市川市の相場」という大づかみの数字ではなく、その町丁単位の取引状況を確認することが判断の精度を高めます。

出典:令和8年地価公示(市区町村別・用途別平均価格及び平均変動率一覧表ほか)|千葉県

3-2. 市川市が実施している空き家関連の支援制度や相談窓口の活用

市川市には空家対策課が置かれ、空き家に関する相談を受け付けています。2023年1月には千葉県宅地建物取引業協会市川支部および全日本不動産協会千葉県本部と協定を結び、活用方法の提案から賃貸・売買、リフォームや解体まで相談できる体制を整えました。

利用できる主な制度は次のとおりです。

  • 空家活用マッチングサービス:所有者と活用希望者の情報を市に登録し、条件の合う相手を引き合わせる仕組み
  • インスペクション費用の助成:マッチングサービス登録者を対象に、建物の性能調査費用の2分の1(上限5万円)を助成
  • 空家除却・活用事業補助金:特定空家の除却や空き家の活用などに対する助成。事業ごとに対象区域、建物の状態、活用目的といった要件があり、年度予算の範囲内で実施される
  • 被相続人居住用家屋等確認書の発行:空き家の譲渡所得3,000万円特別控除を受ける際に必要な書類

このうち3,000万円特別控除は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋などの要件を満たす場合に、相続した家の譲渡所得から原則として最大3,000万円を控除できる制度です。ただし2024年1月1日以後の譲渡で、対象となる家屋と敷地を取得した相続人が3人以上いる場合は、1人当たりの控除上限が2,000万円となります。売却代金が1億円以下であることなど、ほかにも適用要件があります。適用期限は2027年12月31日までで、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却しなければなりません。判断が難しい制度のため、該当しそうな場合は早い段階で税務署や税理士に確認しておくと安心です。

✓ポイント:市の補助制度は年度予算の範囲内で運用されるものが多く、受付期間や要件が毎年見直されます。「使えるはず」と見込みで動くのではなく、検討を始めた時点で空家対策課に現状を伝え、対象になり得るかを確認しておくほうが確実です。

出典:空家対策課|市川市

出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

4. まだ売らなくても「今の実家の価値」を知っておくメリット

査定は売却の申し込みではありません。現在の価値を数字で把握しておくことが、その後の資金計画と家族の意思決定を支える基礎データになります。介護が必要になったとき、相続が発生したとき、いずれの局面でも「あの家はいくらになるのか」という前提が共有されているかどうかで、家族の動き方は変わってきます。

4-1. 現在の相場を把握することが将来の介護費用や資金計画の目安になる

実家の価値を知る意味は、主に3つあります。

  • 介護施設への入居費用を、自己資金だけで賄うのか実家の売却も選択肢に入れるのか判断できる
  • 将来売却した場合にどの程度の資金になるのか、家族で共通の見通しを持てる
  • きょうだい間で遺産分割を話し合う際、共通の前提として使える

ここで注意したいのは、不動産会社の査定額と相続税評価額は別物という点です。相続税の申告が必要かどうかは、土地については路線価方式または倍率方式、家屋については原則として固定資産税評価額に基づいて評価し、預貯金や有価証券など他の相続財産も含めた正味の遺産額と、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除などを踏まえて判断します。査定額はあくまで売却時の目安として活用する数字にほかなりません。

とはいえ相続では、不動産の価値を誰も把握していないまま話し合いが始まり、感情的な対立に発展するケースが少なくありません。誰かが住み続ける、売って分ける、共有名義にする。どの案を選ぶにしても、金額の裏づけがあれば議論は現実的な方向に進みます。査定を受けたからといって売却を迫られることはなく、数年おきに数字を更新しておけば地価の動きも自然と見えてきます。

出典:No.4602 土地家屋の評価|国税庁

4-2. 市川市の地域事情に精通した信頼できる不動産会社の選び方

売却時期が未定の段階では、目先の査定額の高さよりも、長く相談できる相手かどうかを基準に選ぶことをおすすめします。

見極めのポイントとして、次の点が挙げられます。

  • 市川市内の取引実績があり、町丁単位の需要を具体的に説明できるか
  • 査定額の根拠となる成約事例を示せるか
  • 相続や空き家に関する制度を把握し、税理士や司法書士と連携できるか
  • 「今すぐ売るべき」と決断を急がせず、売らない選択肢も含めて助言するか

査定額は各社の販売戦略によって差が出ます。相場から大きく離れた金額を提示された場合は、その根拠を必ず確認してください。

✓ポイント:不動産会社との関係は、売却を決めてから築くものではありません。まだ売らない段階から相談し、地域の動きを聞ける相手を持っておく。この積み重ねが、いざ判断を迫られたときの初動の速さにつながります。

5. 実家の将来についての早めの準備が家族全員の安心につながる

親の家が空き家になる前にできる準備は、名義や境界の確認、書類の所在把握、家財整理、そして親の希望の共有と、いずれも今日から着手できるものばかりです。空き家になってからでは、税負担の増加や資産凍結といった制約を抱えた状態で判断を迫られることになります。判断できる人がそろっている「今」こそが、最も選択肢の多い時期にほかなりません。

市川市は都心へのアクセスに恵まれ、住宅需要も地価も底堅く推移しているエリアです。市の支援制度や相談窓口も整備されており、所有者が動きやすい環境が用意されています。株式会社エニシングは、市川市・船橋市・浦安市を中心に、不動産売却・相続・空き家・収益物件のご相談に対応してまいりました。「まだ売ると決めていない」段階からのご相談も歓迎しております。ご家族での話し合いの材料が必要になりましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

代表取締役 細見 直樹

監修者情報

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